リーキーガットと糖尿病

なぜか急増する1型糖尿病

 インスリンはエネルギーとして直ちに使う必要性がない血液中のグルコースを脂肪として蓄えるホルモンである。食事の後には、誰でも血糖値が上昇するが、このインスリンの働きによって血糖値は下がる。こうした素早い反応が起こる場合、その細胞にはインスリンに対して感受性があるとされる(2p285)

 一方、インスリンを合成する膵臓のランゲルハンス島のβ細胞が異常を来たし、破壊されることで、このインスリンが分泌されなくなってしまうのが1型糖尿病である(2p50,10p36)。血液中のブドウ糖の転換や貯蔵ができないために患者は日に日に衰弱し、腎不全で数週間か数カ月後には死亡する。1型糖尿病患者はインスリンがなければ生きることができない(2p51)

 けれども、19世紀には1型糖尿病はほとんどなかった。米国のマサチューセッツ総合病院に管理された75年以上もの1898年までの50万人以上の患者のデータを見ても、わずか21件しかない(2p51)。第二次世界大戦以前には5000人に一人であった。それが、1973年には1930年代の6〜7倍となり、1980年代以降は横ばいとなっているとはいえ(2p52)、いま欧米では、250人に一人が1型糖尿病を患っている(2p51,2p52)。5000人から250人でも20倍だ。驚くべき増加ではないか。

1型糖尿病はウィルスが原因ではなく腸内細菌の乱れが引き起こす

Alanna-CollenS.jpg 1型糖尿病は希に成人期に発症することもある。けれども、たいがいは幼少期か10代前半の若年期に発症する(2p61)。なおかつ、風邪やインフルエンザにかかった後で発症することが多い。このため、ウィルスが原因だとされてきた。けれども、統計的に見てみれば、インフルエンザにかかった子どもが1型糖尿病になるリスクは高くはない。しかも、インフルエンザの発病率は減り続けているのに、1型糖尿病は年率5%で増え続けた。このことから、『あなたの体は9割が細菌』の著者、サイエンスライターのアランナ・コリン(Alanna Collen)博士は「これは憶測だが」とコメントを付したうえで、インフルエンザ治療のための抗生物質が1型糖尿病の原因ではないかとの仮説を提唱している(2p188)。確かに、最近では1型糖尿病も先天的な原因ではなく、腸内フローラと関係している可能性が指摘されている(1p41)。1型糖尿病が帝王切開で生まれた子どもの方がかかりやすく(2p237)、粉ミルクで育つ子どももがかかりやすいこともこの仮説の傍証となっている(2p249)

リーキガット症候群による自己免疫疾患が1型糖尿病の原因

Alessio-Fasano.jpg ラットにも遺伝的に1型糖尿病になりやすい系統のラットがいる。そして、このラットでは糖尿病が発症する数週間前からリーキガット症候群が生じている。そこで、マサチューセッツ小児総合病院で働く医師、アレッシオ・ファサーノ(Alessio Fosano)が、このラットにゾヌリンの作用を阻害する薬を与えてみた。すると3分の2のラットでは1型糖尿病が進行しなかった。このこともリーキーガットが自己免疫疾患である1型糖尿病発症の引き金になっていることを示唆する(2p158)

殺戮の抗生物質思想から共生のプロバイオティックスへ

「プロバイオティクス(probiotics)」という聞き慣れない言葉がある。イギリスの微生物学者Fullerが1989年に定義した概念で、生物同士の共生を意味する「プロバイオシス」を語源とし、アンチバイオティクス=抗生物質(antibiotics)の考え方から産まれたという。ぶっちゃけて言えば、「腸内フローラ(腸内菌叢)のバランスを改善し、人に有益な作用をもたらす生きた微生物」のことだ。

 アンチバイオティクスが「病気になってから病原菌を退治する」という治療方法であるのに対して、プロバイオティクスは「あらかじめ体内に良い細菌菌を積極的に増やして健康になる」という予防的な考えといえる。

 これと良く似た言葉に「プレバイオティクス」という同じく聞き慣れない言葉がある。「プロバイオティクス」は善玉菌を増やすことなのだが、善玉菌のバランスを保つには、消化管上部においても分解・吸収されず、善玉菌の餌となるとともに、腸内環境を整えることで善玉菌が生き生きと働けるようにサポートする物質が必要である。この物質のことを「プレバイオティクス」と呼ぶ。腸内において消化されにくい食物繊維やオリゴ糖類がその代表的なものと言える(3)。すなわち、腸内細菌を活性化する物質が入った食品や薬品を「プレバイオティクス」と呼ぶ(1p46)

予防効果として威力を発揮する

 ヒトの1型糖尿病に相当する病気を発症する遺伝子を持つマウスに対して、プロバイオティクスVSL#3(8種類の菌株4500億個)を生後4週目から投与すると、糖尿病の発症率が低下したという実験がある。何もしないマウスでは32週目の段階で81%が糖尿病になるのに対して21%にとどまる。4匹のうち3匹が遺伝子の運命をまぬがれたことになる。それでは投与時期をさらに遅らせるとどうなるか。10周目であっても何もしないよりはましで、やはり発病率は55%にとどまる(2p269)。これは脾臓のインスリン分泌細胞を破壊するのを抑える抗炎症物質が腸から送られているためである(2p270)。とはいえプロバイオティクスは予防に威力を発揮するのであって、1型糖尿病を治療するためにはタイミング的に遅すぎる(2p283)

インスリン抵抗性が高まる2型糖尿病

 血液中のインスリン濃度が常に高い状態であるとグルコースを貯蔵できなくなる。これがインスリン抵抗性と呼ばれる状態で、抵抗性があれば、高まった血糖値が下がるまでにも長時間を要する(2p285)。すなわち、1型糖尿病に対して、インスリンの産生能力は残っていて、インスリンが分泌されていても、細胞がこれによく反応しなくなるために、結果的にインスリンが機能しなくなってしまうのが2型糖尿病である(2p50,2p284)。欧米人はもともと遺伝的には糖尿病にかかりにくいのだが米国では成人の3人に一人が糖尿病かその予備軍とされている(1p44)。ヒトでも過体重や肥満な人の30〜40%は2型糖尿病となっている。このうち8%はいずれ心臓病で死ぬことになる(2p285)

20万年間、アップデートされていない人類

 この1型糖尿病に対して、インスリンの産生能力は残っていて、インスリンが分泌されていても、細胞がこれによく反応しなくなるために、結果的にインスリンが機能しなくなってしまうのが2型糖尿病である(2p50,2p284)。欧米人はもともと遺伝的には糖尿病にかかりにくいのだが米国では成人の3人に一人が糖尿病かその予備軍とされている(1p44)。ヒトでも過体重や肥満な人の30〜40%は2型糖尿病となっている。このうち8%はいずれ心臓病で死ぬことになる(2p285)

 なぜ、このようなことが起きるのか。人類の進化から見てみよう。

 ホモ・サピエンスは、20万年前にアフリカに出現したが、それ以降、ほとんど変化が見られない。すなわち、現生人類のバージョン1.0が出現して以来、アップグレードされていない(6p25)。もちろん、例外もある。マラリアに耐性を示す鎌状赤血球や乳糖耐性である(6p27)

 ミルクに含まれるラクトースに関しては、ヒトは「ラクターゼ持続症」と呼ばれる特質を進化させてきた(2p225)。乳糖(ラクトース)は母乳に含まれる(2p226)。そこで、どの哺乳類は赤ん坊のうちは体内で乳糖(ラクトース)を分解する酵素、ラクターゼを作れる(6p99,2p226)。そこで、赤ん坊は誰もがラクトースを消化できる。ただし、この遺伝子は幼少期を過ぎればスイッチが「オフ」となる。ラクターゼを作る必要がないからである(2p226)。そこで、大人になるにつれてラクターゼは減少し、乳の消化能力は衰えていく。これは、人類の祖先が日光が降り注ぐ故郷アフリカに居住していた頃には問題はなかった。けれども、日光を十分に浴びることができない地域に移住した人はビタミンD欠乏症に陥ることになった(6p99)。ビタミンDは日光を浴びることでも得られるが、乳からも得られるからである(6p100)。一方、新石器革命が進む中で、ヒトの一部の集団は家畜を飼育し始めた。それに合わせて、死ぬまでこの遺伝子を「オフ」にしない持続症を獲得した。それは、中東で現れてから2000年ほどでヨーロッパ中の人々はラクトースを消化できるようになった。他地域でも、ヤギを買うエジプトのベドウィン族や牛を飼育するルワンダのツチ族が別の突然変異を通じて「ラクターゼ持続症」を獲得した(2p226)。こうした突然変異によって現在、全人類の約3分の1が乳糖(ラクトース)を消化する能力を持っている(6p99,6p100)

 また、地中海周辺やアジアの草原地帯では、乳糖に耐性がないが、チーズやヨーグルトといった乳製品であれば食べられる人たちがいる。彼らは、乳糖を消化、すなわち、発酵させる仕事を他の生物、細菌に「外注」することにした。このため、発酵を経た乳製品からビタミンD等の栄養を摂取できている(6p100)。

人間の身体は大量の糖を消化できるようには進化していない

George-Armelagos.jpg とはいえ、人間の身体の仕組みはこの20万年間、基本的に変っていない(6p99)。そこで、人類学者、エモリー大学人類学部のジョージ・アーメラゴス(George Armelagos,1936〜2014年)教授が食で指摘するポイントは、ロカボと多彩な食である(6p73)。教授によれば、カラハリ砂漠のクン族は、105種類の植物と260種の動物、あわせて365種もの動植物を食料にしている(6p103)。すなわち、人類の祖先は何百万年もロカボな食事を続けてきた。けれども、今では糖が全人類が摂取する栄養分の8割を占めている(6p83)。コムギ、コメ、トウモロコシ、ジャガイモが人間が摂取する栄養の約75%を占めている(6p59)

 さて、コムギ、コメ、トウモロコシ、雑穀、イモの主成分はデンプンである。消化とはこの複雑な分子を糖に分解するプロセスである。デンプンは咀嚼と唾液によって喉に到達しない段階で果糖(フルクトース)、ブドウ糖(グルコース)になっていく(6p84)。けれども、極論すれば、ブドウ糖とは大量にあれば毒である(6p86)。このため、身体は過剰なブドウ糖を筋肉や臓器に送りグリコーゲンに変える。筋肉でならばグリコーゲンは燃やすことができるからだ。けれども、筋肉組織がストックできる量はわずか数十グラムにすぎない。このため、ヒトはインスリンというホルモンを出す(6p87)

 インスリンが最優先するのはブドウ糖を血流から除くことである。このため、「脂肪を燃やすのを止めて、まずブドウ糖から燃やせ」というシグナルを送る。同時に、「貯蔵庫から脂肪を持ち出すのを止めよ」というシグナルも送り、脂肪が燃やすことを止めさせる(6p88,6p97)。糖が脂肪の燃焼を妨げる結果、トリグリセイドのような脂肪がたまっていく(6p98)。すなわち、ブドウ糖を脂肪に変えて、腹部、臀部、太腿等に蓄えていく(6p87)。このように血糖値を正常に保つブドウ糖の処理能力を「耐糖能」と呼ぶ(10p37)

インスリン抵抗性が高まる2型糖尿病

 けれども、インスリンにも限界がある。糖尿病薬を飲んだり、インスリン注射をして、血糖値を下げるプレッシャーをかけ続けると、低血糖を恐れる身体の方がこれに反発して血糖値をあげるための「糖新生」の働きが強化される。その結果、糖質をほとんど取らなくても空腹時に400〜500mg/dlまで血糖値があがってしまう(5p43,5p136,5p163,5p188)

 また、年齢とともにインスリンの分泌能力は低下していく(7p35,7p70)。そのうえで、食後の血糖値が高い状態が続き、インスリンの追加分泌の頻度が高まる生活を40〜50年もし続ければ、膵臓が疲弊してインスリンの分泌能力が低下して、さらに血糖値があがるという悪循環に陥っていく(7p35,7p70)

 また、人間の「ホメオスタシス」を超えた大量のブドウ糖が摂取され続けると、「オオカミが来た」という少年の叫びを繰り返す聞いた人たちのように、インスリンの警鐘を真に受け止めなくなる(6p89)。すなわち、血液中のインスリン濃度が常に高い状態であると高まった血糖値が下がるまでにも長時間を要するようになっていく(2p285)。内蔵脂肪が増えると炎症シグナルが増えて、インスリンの効きが悪くなる(8p96)。これが「インスリン抵抗性」と呼ばれる状態である(2p285,6p89, 8p96,10p36)。すなわち、糖質を摂取しすぎたために、インスリンが過剰に分泌され、インスリンの機能が低下したこの症状を2型糖尿病と呼ぶ(10p36)

アロスタシスによってインスリン受容体は変化する

 Peter-SterlingS.jpgこのインスリン抵抗性を理解するには、神経科学者、ペンシルバニア大学医学大学院のピーター・スターリング(Peter Sterling)教授が提唱する「動的適応能=アロスタシス(allostasis)」が役立つ(6p255)。教授によれば、生命が生きるためには「ホメオスタシス」だけでは不十分である。

「調整の目的は内部環境を一定に保つことではない。内部環境を継続的に調整することにある。調整メカニズムでは効率の良さが求められるが、フィードバックで誤差を修正する『ホメオスタシス』は本質的に非効率的である。これに対して、『アロスタシス』は、必要なことを予測し、必要なことが生じる前に準備する効率的な方法を取る」(6p252)

 すなわち、ホメオスタシスが提供するのは安定だけであるため、人間には各器官の目盛りを書き直して、環境変化に慣れる能力が備わっている。そして、これが「アロスタシス」の要となるメカニズムである(6p252)。例えば、常に血糖値が高くインスリンが分泌され続けていると、インスリン受容体はインスリンが多い状態が続くことを予測して、「ダウンレギュレーション(下方修正)」を行う。

「システムが血糖値が高くて当然だ、と学習してしまうのです」とスターリング教授は言う。こうして生まれるのが、肥満、糖尿病、心臓病等、現代の健康問題の核心にあるインスリン抵抗性なのである(6p255)

痩せた人の腸内細菌を移すとインスリン感受性が高まる

 Max-Nieuwdorp.jpg肥満したヒトの腸内細菌を無菌マウスに入れると食べた餌の量が変わらないのに2週間後にはそのマウスは太る。太ったマウスに痩せたマウスの微生物を与えると体脂肪が30%減ることがわかっている(2p286)。そこで、アムステルダムにあるアカデミック・メディカルセンターのアンネ・フリーゼ(Anne Vrieze)博士とマックスニュードープ(Max Nieuwdorp)教授は、痩せたドナーから採取した腸内細菌、糞便液を9名の肥満した男性に入れてみるとどうなるのかを実験してみた(2p284)。フリーゼ博士は、メタボであって、かつ、その治療用の薬を飲んでおらず、かつ、この3ヵ月間に抗生物質を使っていなかった21〜65歳のメタボの男性を集めた(4)

 そして、もともと自分の体内にあった在来の腸内細菌をクリアーにするため、腸生検(jejunum biopsies)と腸洗浄(bowel lavage)を行った後、自分の腸内細菌と痩せた男性のドナーから早朝に採取した糞便を十二指腸チューブでランダムに移植された(4)。糞便移植(Fecal transplantation programs)は、まださほど普及してはいないが、治療が難しいクロストリジウム・ディフィシール菌(Clostridium difficile)による胃腸感染症(gastrointestinal infections)に効果があるエビデンスが得られていることから米国の2、3のセンターですでに実施されているし、フリーゼ博士がいるアカデミック・メディカルセンターでも実施されていたことから、そのテクニックを研究に適用できたのである(4)

Anne-Vrieze.jpg そして、被験者全員が研究の実施中、食べ物と運動日記をつけた。マウスでは体重が減少したことから、体重が減るのではないかとフリーゼ博士たちは当初予想していた。けれども、人間の場合にはそれは起きなかった。6週後には、いずれのグループでも体重の変化は起きなかった。中性脂肪の濃度(Triglyceride)は自分の菌を移植した人に比較して痩せた人の菌を移植した場合には、最初はかなり減少したが、12週後にはまった標準に戻った。けれども、6週間後にはインスリン感受性(insulin sensitivity)が高まり、以前の2倍近い速度でグルコースを貯蔵できた(2p285,4)。これは痩せた人と同じほどの改善である(2p286)

 しかも、新たにインスリン感受性が高まった男性の腸内細菌の菌種は178〜234種も増えその多様性が高まっていた(2p286)。2010年に報告されたこのパイロット研究は、糞便移植の人間における最初のランダム化対照化試験だった(4)

短鎖脂肪酸、酪酸とプロピオン酸が鍵

 痩せた人から移植することでも増えたのは、短鎖脂肪酸、酪酸を作る菌種であった(2p286)。様々な研究から糖尿病患者の腸内フローラでは短鎖脂肪酸の生産力が落ちていることがわかっている(1p42)。酪酸生成細菌は副産物として二酸化炭素を発生させる。これを餌に大腸下部では、酢酸とプロピオン酸を作る細菌が繁殖する(9p262)。無菌マウスを用いた実験では、プロピオン酸も制御性T細胞(Treg)の生成と関連していたことがわかっている(9p261)
 短鎖脂肪酸には腸細胞を刺激し、ホルモン、インクレチンを分泌させる。そして、このインクレチンが膵臓に働きかけ、インスリンの分泌を促す(1p48)。また、酪酸は細胞同士をつなぐタンパク質の鎖を厚くし、厚い粘膜層で覆うことでリーキガットを防ぐ(2p286)。さらに短鎖脂肪酸はバクテロイデス等の細菌を増やし、肥満防止の効果を持つ(1p49)。そして、プロピオン酸が脂肪細胞の細胞膜受容体とドッキングするとホルモン、レプチンを放出され、これが、満腹感を脳にもたらす(9p260)

プレバイオティックスはインスリン感受性を高める

 バナナ、タマネギ、アスパラガス等に含まれているフラクトオリゴ糖(オリゴフルクトース)は、ビフィドバクテリウム属の細菌(ビフィズス菌)とアッカーマンシア・ムシニフィラ菌アッカーマンシア.jpgを増やす。そして、こうした細菌はリーキーガットを防ぎ、食欲を抑え、インスリン感受性を高める(2p217,2p287)

Frank-Greenway.jpg ニューオーリンズで2013年に発足したベンチャー企業「マイクロバイオーム・セラピューティクス」社は(1p43)、糖尿病に効く新薬を開発している。新薬の主な成分は玉ねぎやゴボウに多く含まれ、短鎖脂肪酸の原料となる食物繊維イヌリンと腸内細菌の餌となり腸内環境を整えるβグルカン、そして、ブルベリーを原料としたポリフェノールである(1p45)。ルイジアナ州立大学のフランク・グリーンウェイ(Frank Greenway)教授が、初期の糖尿病患者と糖尿病予備軍を対象に朝晩2回、このプレバイオティクスを飲んでもらい、4週間後に調べてみるとインスリンが増加し、血糖値の高まりが抑制されていた(1p48)。すなわち、単鎖脂肪酸(SCFA)、酪酸、酢酸、プロピオン酸が高レベルで維持されると肥満やインスリン抵抗性が解決する(9p261)
 要するに、肥満、癌、喘息、アレルギー、自閉症、循環器疾患、糖尿病、鬱病、多発性硬化症、腸管壁浸漏症候群、炎症性腸疾患の原因は腸内細菌のバランス異常のために生じていたのである(9p318)。したがって腸内細菌の健全化によって糖尿病も治療できる可能性が見えて来ているのである。

【画像】
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アレッシオ・ファサーノ医師の画像はこのサイトよりジョージ・アーメラゴス教授の画像はこのサイトよりピーター・スターリング教授の画像はこのサイトより
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アンネ・フリーゼ博士の画像はこのサイトより
アッカーマンシア・ムシニフィラ菌の画像はこのサイトより
グリーン・ウェイ教授の画像はこのサイトより

【引用文献】
(1) NHKスペシャル取材班『腸内フローラ10の真実』(2015)主婦と生活社
(2) アランナ・コリン『あなたの体は9割が細菌』(2016)河出書房新社
(4) Kristina Fiore, EASD: Fecal Transplant Flushes Insulin Resistance,MedPage Today, Sep22, 2010.
2017年6月18日投稿

【追加文献】
(5) 釜池豊秋『糖質ゼロの健康法』(2011)洋泉社
(6) ジョン・レイティ他『GO WILD野生の体を取り戻せ!』(2014)NHK出版
(7) 山田悟『糖質制限の真実』(2015)幻冬社
(8) 白澤卓二『体が生まれ変わるケトン体食事法』(2015)三笠書房
(9)デイビッド・モントゴメリー/アン・ビクレー『土と内蔵』(2016)築地書館
(10) 古川健司『ケトン食ががんを消す』(2016)光文社新書
2017年6月21日改正
posted by fidelcastro at 11:30 | Comment(0) | 脳と食 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする